繁体字で中国語を勉強したいと思ったことはありませんでしょうか。
台湾や香港に行く用事があってある程度勉強をしたいと思ってもあまりテキストはありません。簡体字ならあるけど、わざわざ繁体字に直すのが面倒。
そういった悩みを解決すべく私のオリジナルで繁体字のテキストをつくろうと思います!
と言ってもさすがに無理があるので、いくつかのテキストを参考にそれを簡体字から繁体字に直します。
シリーズ一覧はこちら。
では頑張って勉強していきましょう!
7.連動文、構造助詞と語気助詞、重ね型
ここで解説する「連動文」もよく使われる文型です。ここではその用法をチェックして、「動詞の重ね型」と「形容詞の重ね型」の違いもしっかりと把握しましょう。また、「構造助詞」と「語気助詞」の用法についてもまとめました。
45.連動文~肯定文
「連動文」は動詞述語文の一つです。主語に続いて二つ以上の動詞(句)が述語を形成する文を「連動文」と言います。
【基本文型①】「-して~します。」「~しにーします。」
動作の行われる順に動詞が続きます。動詞2の動作は、動詞1の動作の「目的」を説明します。
大家去操場踢足球。Dàjiā qù cāochǎng tī zúqiú.(みんなは、グラウンドに行ってサッカーをします。)
動詞1が”去” “來”のとき、動詞2はその目的を表しており、「~しに行く[来る」という意味にとらえることもできます。また、動詞1に”去”や”來”がおかれたとき、通常、動詞1と動詞2の間には目的語が入ります。
【基本文型②】「ーすることによって~します。」
文型は次のようになります。A動詞(句)の動作は、B動詞(句)の動作の「手段」「方法」を説明します。
我用自己的錢買電腦。Wǒ yòng zìjǐ de qián mǎi diànnǎo.(自分のお金でコンピュータを買います。)
また、A動詞の後に目的語がなく、手段を強調する場合にはよく《A動詞+着zhe》の形をとります。”着zhe”はアスペクト助詞で、連動文では「ーして~する」「ーしながら~する」という用法があります。
我們走着去。Wǒmen zǒuzhe qù.(私たちは歩いてゆきます。)
46.連動文~否定文
否定詞”不bù”を、動詞1またはA動詞(句)の前に置きます。
【基本文型①】「ーして~しません。」「~しにーしません。」
〇 我不去看電影。Wǒ bú qù kàn diànyǐng.(私は映画を見に行きません。)
× 我去不看電影。
【基本文型②】「ーすることによって~しません。」
〇 我不坐公車去。Wǒ bú zuò gōngchē qù.(私は電車に乗っていきません。)
× 我坐公車不去。
47.語気助詞”吧ba”について
平叙文の文末につけて、話し手の心情や態度を表す助詞のことを「語気助詞」と言います。ここでは、”吧ba“《軽声で発音》についてチェックしましょう。
①軽く穏やかな命令(提案、相談も含む)を表します。
你過來吧。Nǐguò lái ba.(〔こっちに〕おいでよ)
②軽い疑問、推量を表します。
這些禮物都是男朋友送給你的吧?Zhèxiē lǐwù dōu shì nán péngyǒu sòng gěi nǐ de ba?(これらのプレゼントは全部彼氏があなたに送った物なんでしょう?)
48.”喜歡xǐhuan” + 動詞”について
「~することが好きです」というときは、《”喜歡xǐhuan” + 動詞》で表しますが、これは連動文とは言えません。例を挙げて説明してみます。
我喜歡看電影。Wǒ xǐhuan kàn diànyǐng.(私は映画を見るのが好きです。)
この分では、”喜歡xǐhuan”と”看kàn”はともに動詞ですが、動作の行われる順に動詞が連なっていません。また、構造的には”看電影”が”喜歡”の目的語になっています。従って、この形は連動文ではありません。
ついでに、”喜歡”という動詞は、”很hěn”と結びついて「~が大好きである」という意味を表しますので、チェックしておきましょう。
我很喜歡跳舞。Wǒ hěn xǐhuān tiàowǔ.(私はダンスが大好きです。)
49.動詞の重ね型
動作を表す動詞は、その動詞を重ねることで「ちょっと~してみる」「試みに~してみる」というニュアンスを表します。
AA型とABAB型
動詞を重ねるとき、単音節同士の場合は「AA型」《後ろのAは軽声》になり、二音節動詞の場合は「ABAB型」《後ろのABは軽声》になります。
看看kànkan(ちょっと見る) 說說shuōshuo(ちょっと話す)
學習學習xuéxíxuexi(ちょっと勉強する) 商量商量shāngliángshangliang(ちょっと相談する)
単音節動詞の重ね型で、二つの動詞の間に”一yi”《軽声》や”了le”《軽声》を入れることもあります。”一yi”の場合は基本的に意味の違いをもたらすことはありませんが、”了le”はその動作がすでに実現されたことを表します。
這個菜味道很好、你嘗一嘗[嘗嘗]。Zhège cài wèidào hěn hǎo, nǐ chángyichang [chángchang].(この料理は味がいいわ、食べてみて)
※重ね型を作ることができない動詞もあります。
有yǒu(ある、持っている)
在zài(ある、いる)
是shì(~である)
愛ài(愛する)
喜歡xǐhuān(好きである)
恨hèn(恨む)
知道zhīdào(知っている)
看見kànjiàn(目に入る)
覺得juédé(感じる)
出chū(出る)
進jìn(入る)
AAB型
本来《動詞+目的語》で構成されている二音節動詞は、その動詞部分だけを繰り返して重ね型を作ります。
散散步sànsanbù(ちょっと散歩する)
點點頭diǎndiantóu(ちょっとうなずく)
幫幫忙bāngbangmáng(ちょっと手伝う)
50.形容詞の重ね型
形容詞の重ね型動詞だけでなく、形容詞にも重ねて用いる方法があります。重ね型にすることで、意味的に強いニュアンスを出すことができます。形容詞の重ね型には、次の3つのタイプがあります。
1.単音節形容詞「A」を重ねるときは、「AA的」あるいは「AA兒」の形式となります。
他的身材高高的、眼睛大大的。Tā de shēncái gāo gāo de, yǎnjīng dàdà de.(彼の身長はとても高くて、目が真ん丸です。)
「AA的」型のとき、第2音節目は軽声になりません。
単音節形容詞の重ね型が動詞や形容詞を修飾する副詞的な働きもします。この場合、よく「AA兒」の形式をとります。
好好兒休息吧。Hǎohāor xiūxí ba.(ゆっくりお休みなさい)
2.二音節形容詞の「AB」の場合は、「AABB」の形式となります。2番目のAは軽声で発音されることもあります。ほとんどの形容詞はこの種の重ね型を用いることができます。
事情的經過清清楚楚。Shìqíng de jīngguò qīngqīngchǔchǔ.(ことの経過ははっきりしています。)
3.名詞と形容詞が結びついた形容詞は「ABAB」の形式をとります。
這條路筆直筆直的。Zhè tiáo lù bǐzhí bǐzhí de.(この道はまっすぐです。)
“雪白xuěbái”(真っ白である)、”通紅tōnghóng”(真っ赤である)、”冰涼bīngliáng”(とても冷たい)も同じ「ABAB」型になります。
一部の形容詞には「AAB」型があります。”熱乎乎rèhūhū”(ホカホカしている)、”亮晶晶liàngjīngjīng”(キラキラしている)。この種の形容詞は、日本語の擬態語表現と同じ働きをします。
今日はここまでです。お疲れ様でした!
参考文献
完全マスター中国語の文法[改訂版]
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