繁体字で中国語を勉強したいと思ったことはありませんでしょうか。
台湾や香港に行く用事があってある程度勉強をしたいと思ってもあまりテキストはありません。簡体字ならあるけど、わざわざ繁体字に直すのが面倒。
そういった悩みを解決すべく私のオリジナルで繁体字のテキストをつくろうと思います!
と言ってもさすがに無理があるので、いくつかのテキストを参考にそれを簡体字から繁体字に直します。
シリーズ一覧はこちら。
では頑張って勉強していきましょう!
20.”被bèi”構文[受身文]
「ーは~される」「~はーに~される」という「受け身の表現」について説明します。形の上では受け身の意味をもつ”被bèi”、”讓ràng”、”叫jiào”などの前置詞を用いる場合と、「意味上の受身文」の二種類に分けることができます。
108.受身文(”被字句bèi zìjù”)
「~される、~られる」と受け身を表すには、前置詞”被bèi“、”讓ràng“、”叫jiào“、”給gěi“が使われます。受身文のことを、”被bèi”にその役割を代表させて「“被bèi”構文」ともよびます。
また、”叫jiào”と”讓ràng” “給gěi”は、”被bèi”よりも口語的で話し言葉に多用されます。文型は次の通りです。
【基本文型】
這本書被她借走了。Zhè běnshū bèi tā jiè zǒule.(この本は彼女に借りていかれました。)
他們的話讓媽媽聽見了。Tāmen dehuà ràng māma tīngjiànle.(彼らが話したことはお母さんに聞かれてしまいました。)
他的筆記本電腦叫兒子弄坏了。Tā de bǐjìběn diànnǎo jiào érzi nòng huàile.(私のノートパソコンは息子に壊されました。)
窗戶給風吹開了。Chuānghù gěi fēngchuī kāile.(窓は風で開けられてしまいました。)
動詞は他動詞が用いられます。日本語では「雨に降られた」というように、自動詞を用いる受け身文も可能ですが、中国語では他動詞のみです。
動詞が単独で述語を形成することはありません。文として不完全なものになるからです。動詞の後に何らかの要素(”了le” “過guo” “着zhe”や結果補語・方向補語など)を伴って文が完成します。
錢包被小偷兒偷走了。Qiánbāo bèi xiǎotōur tōu zǒule.(財布は泥棒に盗まれてしまいました。)
109.受身文(”被字句bèi zìjù”)~助動詞と否定委の副詞の位置
否定の副詞や助動詞は、”被bèi”、”讓ràng”、”叫jiào”の前に置きます。
你會叫上司派到北京去嗎?Nǐ huì jiào shàngsi pài dào Běijīng qù ma?(あなたは上司に北京へ派遣されることがありますか。)
他の副詞も一般的には”被bèi” “讓ràng” “叫jiào” “給gěi”の前に置かれます。たとえば、
他也叫狗咬了。Tā yě jiào gǒu yǎole.(彼も犬にかまれました。)
110.受身文(”被字句bèi zìjù”)~《”被bèi” + 動詞》
動作の主体を特に示す必要がなかったり、それが一般的な「人々」であったりするときには、”被bèi”の後に来る実質的な実行者を省き、”被bèi”と動詞を直接つないで構いません。
我的信用卡被偷走了。Wǒ de xìnyòngkǎ bèi tōu zǒule.(この本は朝のうちに駆り出されてしまいました。)
この用法は話し言葉でも使われます。しかし、同じ受け身の意味を表す”讓ràng”や”叫jiào”の場合は、行為者を省略できません。
111.受身文~《”叫jiào”[“被bèi”/”讓ràng”]… “給gěi” ~》
受け身を表す”被bèi” “讓ràng” “叫jiào”と呼応して、述語動詞の前にもう一つ受け身を表す”給gěi”が使われる場合があります。
鉛筆盒讓她給丟了。Qiānbǐ hé ràng tā gěi diūle.(筆箱は彼に無くされてしまいました。)
“叫jiào~給gěi” “讓ràng~給gěi”の形では「受け身」を表し、「使役」の意味は表しません。
112.意味上の受身文
“門推開了。Mén tuī kāile.”(ドアが押し開けられた。)のように、主語が動作・行為の及ぶ対象(普通、動作の受け手)であるとき、”被bèi” “讓ràng” “叫jiào”を用いなくても受け身の意味を表す文になります。このような文を「意味上の受身文」と言います。主語は一般にある事物で、しかも特定のものです。
機票已經賣完了。Jīpiào yǐjīng mài wánle.(飛行機のチケットはもう売り切れてしまいました。)
中国語ではこうした意味上の受身文がごく普通によく使われます。日本語でも、この点は同様で、すでにレポートを書き上げてしまったとき、「レポートはもう書き終わった」といい、「レポートは私によってもう書き終えられた」とは言いません。
今日はここまでです。お疲れ様でした!
参考文献
完全マスター中国語の文法[改訂版]
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