繁体字で中国語を勉強したいと思ったことはありませんでしょうか。
台湾や香港に行く用事があってある程度勉強をしたいと思ってもあまりテキストはありません。簡体字ならあるけど、わざわざ繁体字に直すのが面倒。
そういった悩みを解決すべく私のオリジナルで繁体字のテキストをつくろうと思います!
と言ってもさすがに無理があるので、いくつかのテキストを参考にそれを簡体字から繁体字に直します。
シリーズ一覧はこちら。
では頑張って勉強していきましょう!
15.方向補語
移動・方向を表す動詞に”来lái” “去qù”をつけ、動作・行為の方向を表す補語を「単純方向補語」といい、動詞”上、下、出、回”などの後に”来” “去”をつけ、これを他の動詞の敬語として動作・行為の方向を表す補語を「複合方向補語」と言います。
75.単純方向補語①
動作が、話してあるいは話題になっている事柄に向かっている場合には”来lái“、反対の方向に向かう〔遠ざかる〕ときには”去qù“を用います。日本語の「来る」「行く」と基本的に同じです。また、「方向補語」は一般に軽声で発音されます。
【基本文型】
她出去了。Tā chūqule.(彼女は出かけました。)
我回來了。Wǒ huílaile.(ただいま。)
単純方向補語を伴った動詞が目的語をとり、その目的語が場所を表す語であれば、その目的語は動詞と補語の間に置きます。
請到樓上來吧。Qǐng dào lóu shànglái ba.(二階へ来てください。)
目的語が人や物の場合は、目的語を方向補語の後においても構いません。
我們要帶去相機。Wǒmen yào dài qu xiàngjī./我們要帶相機去。Wǒmen yào dài xiàngjī qu.(私たちはカメラを持っていくつもりです。)
76.単純方向補語②
「単純方向補語」にはほかに、具体的な方向、抽象的な方向を表すグループがあります。方向補語の
“上shàng”(下から上への移動を表す)
“下xià”(上から下への移動を表す)
“進jìn”(外から内への移動を表す)
“出chū”(内から外への移動を表す)
“回huí”(元の場所に戻ることを表す)
“過guò”(通過を表す)
“起qǐ”(低いところから高いところへの方向を表す)
を動詞の後につけ、移動・方向を示します。例を挙げてみます。
飛上fēishàng(飛び立つ)
走過zǒuguò(通り過ぎる)
77.複合方向補語
例えば、”他跑出去了。Tā pǎo chuqule.”(彼はかけだしました。)という文の中で、”跑pǎo”は動詞、”出去chuqu”は「複合方向補語」になります。もともと”出去chuqu”は、動詞”出chū”に単純方向補語の”去qù”がついた形ですが、それが他の動詞について補語となり、動作の方向を表すのです。これらの方向補語をまとめると、次のような表で示すことができます。
【例】
走上來zǒu shanglai(歩いて上がってくる)
走上去zǒu shangqu(歩いて登っていく)
李先生走過來了。Lǐ xiānshēng zǒu guolaile.(李さんは〔歩いて〕やってきました。)
複合方向補語を伴った動詞の後に、目的語があれば、その目的語は”來” “去”の前に置きます。
他唱起歌來了。Tā chàng qǐ gē láile.(彼は歌を歌い出しました。)
目的語が人物あるいは一般事物であれば、”來” “去”の前においても後ろにおいても構いません。
我寄回去兩封信。Wǒ jì huíqù liǎng fēng xìn./我寄回兩封信去。Wǒ jì huí liǎng fēng xìn qù.(私は手紙を2通送り返します。)
78.方向補語の否定
方向補語の否定は、単純方向補語と複合方向補語のどちらも”沒(有)méi (yǒu)”を用います。
我沒有帶雨傘來。Wǒ méiyǒu dài yǔsǎn lái.(私は傘を持ってきていません。)
79.方向補語~語気助詞”了le”の位置
目的語がない場合、語気助詞の”了le”は複合方向補語の後に置きます。また、述語動詞のすぐ後に置くこともあります。
他們走進來了。Tāmen zǒu jìnláile./他們走了進來。Tāmen zǒule jìnlái.(彼らは歩いて入っていきました。)
目的語がある場合、”了le”は文末に置きます。他の位置に来ることはありません。
他們走進咖啡館來了。Tāmen zǒu jìn kāfēi guǎn láile.(彼らは喫茶店に入っていきました。)
今日はここまでです。お疲れ様でした!
参考文献
完全マスター中国語の文法[改訂版]
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