繁体字で中国語を勉強したいと思ったことはありませんでしょうか。
台湾や香港に行く用事があってある程度勉強をしたいと思ってもあまりテキストはありません。簡体字ならあるけど、わざわざ繁体字に直すのが面倒。
そういった悩みを解決すべく私のオリジナルで繁体字のテキストをつくろうと思います!
と言ってもさすがに無理があるので、いくつかのテキストを参考にそれを簡体字から繁体字に直します。
シリーズ一覧はこちら。
では頑張って勉強していきましょう!
19.”把bǎ”構文、”是shì~的de”の構文
「~はーを~する」という”把bǎ”を用いた構文について解説します。”把bǎ”を使って目的語を前に出すことによって、強調したい気持ちを表すのがポイントです。また、”是shì~的de”の「強調構文」についても解説します。
101.”把bǎ”構文~肯定文・否定文
“把bǎ”構文は、「処置文」(”把字句bǎ zìjù”)とも呼ばれ、よく使われる動詞述語文の一つです。あること物に対する何らかの処置およびその結果を強調するときに用いられます。”把bǎ”は前置詞で、「~を」という意味で、目的語を動詞の前に引き出す働きがあります。文型は次の通りです。
【基本文型】肯定文:「ーを~します。」
請先把住宿表填一下吧。Qǐng xiān bǎ zhùsù biǎo tián yīxià ba.(まず、宿泊カードをご記入ください。)
動詞には何らかの付加成分がついていなければなりません。つまり、動詞一語だけでは使用できません。時にはそれが「動詞+結果補語」「動詞+”得”+様態補語」「動詞の重ね型」「”一下”」だったりします。
【基本文型】否定文:「ーを~しません。」
否定形では”沒(有)méi (yǒu)”を述語動詞の前でなく、”把bǎ”の前に置くことに注意しましょう。否定形には通常、”不bù”を使用しません。
她沒有把信寫完。Tā méiyǒu bǎ xìn xiě wán.(彼女はまだ手紙を書き終えていません。)
“不bù”は、「~したくない」「~しようとしない」(”不想bùxiǎng bǎ~”,”不願意把bù yuànyì bǎ~”)という場合や、「もし~しなければ」《仮定》という場合に限って、否定文に用いることができます。
不把練習做完,我們不能回家。Bù bǎ liànxí zuò wán, wǒmen bùnéng huí jiā.(練習をやり終わらないと、私たちは家に帰れません。)《仮定》
能願動詞、時間を表す状況語(連用修飾語)は必ず”把bǎ”の前に置きます。
我們一定要把中文學好。Wǒmen yídìng yào bǎ zhōng wénxué hǎo.(私たちは必ず中国語をマスターしなければなりません。)
102.《”把bǎ” ~ + 動詞 + “在zài[成chéng/到dào/給gěi]” ~》
「~をーに~する」という表現で、動詞の後に結果補語の”在zài“、”成chéng“、”到dào“、”給gěi“がつく場合には一般的な動詞述語文が成立せず、自動的に”把bǎ”構文が用いられます。
我把鑰匙忘在房間了。Wǒ bǎ yàoshi wàng zài fángjiānle.(〔私は〕カギを部屋に忘れてしまいました。)
103.”把bǎ”構文の疑問文
文末の”嗎ma”をつける疑問文が一般的な形です。
你把相機帶了嗎?Nǐ bǎ xiàngjī dàile ma?(あなたはカメラを持ってきましたか。)
“把bǎ”を反復させる反復疑問文を用いることもあります。
你把沒把相機帶來?Nǐ bǎ méi bǎ xiàngjī dài lái?/你把相機帶來了沒有?Nǐ bǎ xiàngjī dài láile méiyǒu?(あなたはカメラを持ってきましたか。)
104.”是shì~的de”の構文(強調構文)
すでに行われた動作について、その動作がどのようにして行われたか、行われた時間・場所・方法などを特に強調する場面で使います。
“是shì”は強調しようとする部分の前に置き、”的de”は文末に置くのが一般的です。
【基本文型】
他們是公車去學校的。Tāmen shì gōngchē qù xuéxiào de.(彼らはバスに乗って学校へ行ったのです。)
“是shì~的de”の”~”部分の内容が短くて単純な場合に限り、”是shì”を省略することもできます。
我(是)坐電車來的。Wǒ (shì) zuò diànchē lái de.(私は電車に乗ってきたのです。)
105.”是shì~的de”の構文~否定形
否定形は、”不是búshì~的de”となります。
我不是坐飛機來的。Wǒ úshì zuò fēijī lái de.(私は飛行機で来たのではありません。)
肯定形では”是shì”を省略することもありますが、否定形では必ず”不是búshì”としなければなりません。
106.”是shì~的de”の構文~目的語の位置
“是shì~的de”の構文で、動詞が目的語を伴っているとき、”的de”はしばしば目的語の前、動詞の後につけられます。
我不是在書店裡買的書。Wǒ búshì zài shūdiànli mǎi de shū.(私は本屋さんで本を買ったのではありません。)
目的語の後に方向補語があるときには、”的de”は文末に置かなければなりません。
林先生是下午一點到公司去的。Lín xiānshēng shì xiàwǔ yīdiǎn dào gōngsī qù de.(林さんは午後一時に会社へ行ったのです。)
107.”是shì~的de”の構文~そのほかの用法
“是shì~的de”の構文は強調を表すほかに、主語の指す人や事物についてどんな性格・状態なのかを説明したり、判断したりするときにも用いられます。
我是不會漢語的。Wǒ shì bú huì Hànyǔ de.(私は中国語ができない。)
今日はここまでです。お疲れ様でした!
参考文献
完全マスター中国語の文法[改訂版]
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