繁体字で中国語を勉強したいと思ったことはありませんでしょうか。
台湾や香港に行く用事があってある程度勉強をしたいと思ってもあまりテキストはありません。簡体字ならあるけど、わざわざ繁体字に直すのが面倒。
そういった悩みを解決すべく私のオリジナルで繁体字のテキストをつくろうと思います!
と言ってもさすがに無理があるので、いくつかのテキストを参考にそれを簡体字から繁体字に直します。
シリーズ一覧はこちら。
では頑張って勉強していきましょう!
5.形容詞述語文、部分否定と全部否定、主述述語文
「ーは大きい」「ーは甘い」など、人や事物の状態・性質を描写する文を「形容詞述語文」と言います。このセクションでは、その基本文型と特色、そして、「部分否定」「主述述語文」について解説します。
30.形容詞述語文~肯定文
形容詞が述部の主な要素を構成し、人や事物の性質・状態について描写する文を「形容詞述語文」と言います。形容詞がそのまま述語になります。
【基本文型】「ーは(どんな)です。」
這個大。Zhège dà.(これは大きい。)
31.形容詞述語文の中の”很hěn”
肯定文では、述語形容詞の前に通常、”很hěn”(とても、非常に)という副詞をつけます。この場合の”很hěn”は程度を表す意味があまり強くありませんので、日本語訳では特にこれを訳さないのが一般的です。
たとえば、”職員很多。Zhíyuán hěnduō.”と”職員多。Zhíyuán duō.”では、程度の上であまり差がないということになります。ただし、”很hěn”にアクセントをおいて強く言えば、程度の大きさが現れます。
また、副詞をつけないケースで、比較のニュアンスを伝える場合もあります。対照の分によく使われます。
學生多、老師少。Xuéshēng duō, lǎoshī shǎo.(学生は多く、先生は少ない。)
32.形容詞述語文~否定文
否定形は、副詞”不bù”を用います。
【基本文型】「ーは(どんな)ではありません。」
我的房間不大。Wǒ de fángjiān bù dà.(私の部屋は大きくありません。)
33.形容詞述語文~疑問文
【基本文型】「ーは(どんな)ですか。」
你好嗎? 很好、你呢?Nǐ hǎo ma? Hěn hǎo, nǐ ne?(元気ですか。 元気です。あなたは?)
這個西瓜甜不甜?Zhège xīguā tián bù tián?(このスイカは甘いですか。)
“也yě”(~もまた)、”都dōu”(みんな)などの副詞を一緒に用いる疑問文の場合は、反復疑問文は使えません。この場合は文末に”嗎?”をつけます。
這本書也好嗎?Zhè běnshū yě hǎo ma?(この本もまたいいですか。)
疑問代名詞”怎麼樣zěnme yàng”を使って疑問文を作ることもできます。”怎麼樣zěnme yàng”は性質・方法・状態などについて、具体的に尋ねる場合に用いる疑問詞です。
身体怎麼樣? – 很好。/馬馬虎虎。/不太好。Shēntǐ zěnme yàng? – Hěn hǎo./Mǎmǎhǔhǔ./Bù tài hǎo.(お体はどうですか。- 好調です。/まあまあです。/あまりよくありません。)
“很hěn”は、形容詞述語文の中では特に意味を持たないのが一般的ですが、諾否疑問文の中の”很hěn”は意味を持ちます。例えば、
這個苹果很甜嗎?Zhège píngguǒ hěn tián ma?(このりんごはとても甘いですか。)
と言った場合、”很hěn”には「とても」という意味が含まれます。
34.部分否定と全部否定
程度を表す副詞”很hěn” “太tài”の前に否定の副詞”不”をつけると「あまり~でない」「さほど~でない」という部分否定の文ができます。形容詞述語文の部分否定は、多用される表現の一つです。
這本詞典很不好。Zhè běn cídiǎn hěn bù hǎo.(この辞書は実によくありません)《全部否定》
這本詞典不很好。Zhè běn cídiǎn bù hěn hǎo.(この辞書はあまりよくありません。)《部分否定》
2文目の部分否定と同じ表現(あまり~でない)にする場合、”不很”の代わりに”不太bù tài~””不大bù dà~”を用いても構いません。
全部否定、部分否定は通常、形容詞述語文や主述述語文の文中に表れますが、”是”を用いる文の中にも部分否定は存在します。
他們都不是學生。Tāmen dōu búshì xuéshēng.(彼らはみな学生ではありません。)《全部否定》
他們不都是學生。Tāmen bù dōu shì xuéshēng.(彼らはみな学生というわけではありません。)《部分否定》
“很hěn”以外の程度副詞、たとえば、”非常fēicháng”(非常に)、”真zhēn”(本当に)、”太tài”(とても)、”有點兒yǒudiǎnr”(すこし)などは、この種の文中では基本的に本来の意味を表します。
這個東西有點兒貴。Zhège dōngxī yǒudiǎnr guì.(この品物はちょっと高いですね。)
形容詞述語文の中で”有點兒””一點兒”はともに、「少し、ちょっと」と同じ意味ですが、用法に違いがあります。”有點兒”は形容詞の前、”一點兒”は形容詞の後に付けます。”有點兒”は通常、消極的なニュアンスが伴います。形容詞の後の”一點兒”の”一”はよく省略されます。
35.主述述語文「~はーが(どんな)だ。」~肯定文
主述述語文は、主述構造が述部の主な要素となります。「キリンは首が長い」のように、日本語にも同様の表現があります。この種の形は特に口語でよく用いられ、文型は次のようになります。
【基本文型】「~はーが(どんな)だ。」
長頸鹿脖子長。Chángjǐnglù bózi chǎng.(キリンは首が長い。)
長頸鹿⇒大主語
脖子→小主語、長→小述語 ⇒大述語
36.主述述語文~否定文
否定形にするときは、述語形容詞の前に”不bù”や”不太~bú tài ~”(あまり~でない)などをつけます。
我哥哥個子不高。Wǒ gēge gèzi bù gāo.
37.主述述語文~疑問文
主述述語文の疑問文をつくるには、①平叙文に”嗎ma”をつける形、②反復疑問文、③疑問代名詞を持ち率方法のいずれも可能です。
你身体好嗎?Nǐ shēntǐ hǎo ma?(お元気ですか。)
你身体好不好?Nǐ shēntǐ hǎobù hǎo?(お元気ですか。)
你身体怎麼樣?Nǐ shēntǐ zěnme yàng?(体調はいかがですか。)
今日はここまでです。お疲れ様でした!
参考文献
完全マスター中国語の文法[改訂版]